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赤木 洋介*; 加藤 博康*; 舘 幸男; 坂本 浩幸*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.233 - 236, 2018/11
福島第一原子力発電所の廃止措置によって放射性物質によって汚染されたコンクリートが多量に発生することが想定される。廃止措置や放射性廃棄物管理(除染や処分等)のための計画を策定するうえでは、コンクリート材料中の放射能インベントリや分布を推定することが重要となる。本研究では、OPCモルタル中のHTO, Cs, I, Uの実効拡散係数(De)及び分配係数(Kd)を、透過拡散試験及びバッチ収着試験によって実測した。取得されたDeはHTO, I, Cs, Uの序列となり、陽イオン排除効果がOPCモルタルにおいて重要なメカニズムであることが確認された。バッチ試験で得られたKdは、拡散試験で得られたKdより1桁以上高い値となり、試料の粉砕が収着に対して影響を及ぼすことが確認された。OPCモルタル中の拡散・拡散メカニズム理解は、放射性核種のコンクリートへの浸透挙動の予測するうえで重要である。
井上 多加志; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 西尾 敏; 坂本 慶司; 佐藤 正泰; 谷口 正樹; 飛田 健次; 渡邊 和弘; 発電実証プラント検討チーム
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1291 - 1297, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.11(Nuclear Science & Technology)核融合発電実証プラント用中性粒子入射装置(NBI)について、発電実証炉で要求される性能を議論し、その実現への技術課題を検討した。大型プラズマの加熱・電流駆動を担う発電実証プラントのNBIは、これまで以上の高効率,高エネルギー,高信頼性・長寿命化が要求される。加速器には、高効率・高エネルギーの点から、静電加速方式の選択が現実的である。放射線環境での運転を考慮すると真空絶縁が不可欠であり、その設計ガイドラインから、ビームエネルギー1.52MeVが可能であることを示した。負イオン源の信頼性向上,長寿命化ためには、従来の大電流・高電流密度負イオン生成技術に立脚した、フィラメントレス・セシウムフリー負イオン源の開発が必要である。さらに、NBIシステムの効率を決める中性化方式については、従来のガス中性化(効率60%)では要求性能を満足し得ず、中性化効率80%以上のプラズマ中性化等が必要となる。最近、高効率・連続運転の可能な高出力半導体レーザーが製品化されており、これを用いて中性化効率90%以上を実現するレーザー中性化セルの概念を提案する。
鈴木 哲; 江里 幸一郎; 廣瀬 貴規; 佐藤 和義; 吉田 肇; 榎枝 幹男; 秋場 真人
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.93 - 103, 2006/02
被引用回数:12 パーセンタイル:63(Nuclear Science & Technology)本論文では、核融合発電実証プラントのプラズマ対向機器である第1壁及びダイバータの原研における研究開発の活動について報告する。核融合発電実証プラントはITERのような実験炉に比べ、運転期間が長期にわたるため、プラズマ対向機器は厳しい中性子照射及び熱・粒子負荷を受ける。現状の設計では、核融合発電実証プラントのプラズマ対向機器の構造材としては、中性照射を考慮して低放射化フェライト鋼(F82H)が候補材となっている。一方、その表面保護材料としては、スパッタリング損耗に対する耐久性及び低トリチウム吸蔵特性からタングステン材料が候補材となっている。このような材料を組合せたプラズマ対向機器を実現するために、原研では、(1)高性能冷却構造の開発,(2)表面保護材料の開発,(3)F82H鋼とタングステンに対する接合技術の開発及び(4)構造健全性の評価を行うなど精力的な開発を行っている。本稿では、これらの開発活動に関する最新の成果として、高性能冷却管(スクリュウ冷却管)の開発,単軸圧縮による拡散接合法の開発,ダイバータ構造の熱疲労寿命評価法の開発及び表面保護材料のスパッタリング評価用低エネルギーイオン照射装置の開発について報告する。
那珂研究所
JAERI-Review 2005-046, 113 Pages, 2005/09
原研那珂研究所における平成16年度(2004年4月-2005年3月)の研究活動について、原研内の他研究所,所外の研究機関及び大学との協力により実施した研究開発を含めて報告する。原研那珂研究所の主な活動として、JT-60とJFT-2Mによるプラズマ実験研究,プラズマ理論研究,ITER及び発電実証プラントに向けた核融合炉工学の研究開発、及びITERの設計と建設を支援する活動が行われた。
岡 潔
JAERI-Research 2004-009, 225 Pages, 2004/07
現在のロボットは、アミューズメント,福祉,防災など、さまざまな分野への適用が要求されているが、実用的な環境条件下ではシステムとして成立しているロボットは少ない。それは、ロボットが単に要素技術の積み重ねで実現できるものではなく、ロボットを構成する各要素について吟味,調整,改善等の検討を通して、各要素間のバランスを保ちながらロボットシステム全体の中で最適化される必要があるためで、多数の要素から構成されるロボットのシステムインテグレーションは、実際に使用可能なロボットを実現するうえで最も重要な課題である。本報では、このシステムインテグレーションに関する課題を解決するために、核融合施設の保守や原子力施設の事故時の救済を行う代表的なロボットシステムについて、開発に必要不可欠となる手法や要素技術について述べる。特に、ロボットに与えられた環境条件や作業条件からの観点だけでなく、ロボットのシステムバランスからそのロボットに必要となる要素技術の再構築と最適化の観点をも考慮して、実用的なロボットシステムの実現に向けた手法を提案した。これらのシステムインテグレーションを考慮した手法の提案により、核融合装置の保守や原子力施設の事故時の救済に対して実環境下で作業が可能なロボットシステムの実用化の推進に貢献した。
松川 誠; 飛田 健次; 力石 浩孝*; 相良 明男*; 乗松 孝好*
プラズマ・核融合学会誌, 80(7), p.559 - 562, 2004/07
核融合エネルギー開発の最終目標は、発生させた核融合パワーをおもに電力に代えて利用することである。これは、電力が伝送や変換の観点から、利用しやすいエネルギー形態であるためである。核融合発電プラントでは、その炉型によらずプラズマ加熱や電流駆動のために、大電力の所内循環電力が必要である。本文は、ITER以後に原型炉として建設される核融合発電プラントの電力フローについて、述べるものである。また、電気負荷平準化のためのエネルギー蓄積装置や、高効率変換器の重要性についても議論する。
那珂研究所
JAERI-Review 2003-035, 129 Pages, 2003/11
原研那珂研究所における平成14年度(2002年4月2003年3月)の研究開発活動について、原研内の他研究所及び所外の研究機関さらに大学との協力により実施した研究開発も含めて報告する。原研那珂研究所の主な活動としては、JT-60とJFT-2Mによる高性能プラズマ研究,ITER及び発電実証プラントに向けた核融合炉工学の研究開発、及びITERの設計と建設を支援する活動が行われた。